三岳村の説話 ①摩利支天様
今回から、旧三岳村に伝わる伝説を、簡単にご紹介します。
第一回目は「摩利支天様」という説話です。

昔々、中央部の荻ノ島(※1)に、平太郎という人が住んでいました。
ある日、平太郎さんは、万病を直すと言われている薬草の黄連(オウレン。鎮静作用がある漢方)を探しに、百閒滝(※2)の近くへ出かけました。
百閒滝は日帰りが難しい山の中にあるので、そこで一夜を過ごすために岩穴を見つけ、入り口にもみの木を利用した簡単な壁を作り、中に入っていました。
夜になり、だんだんと冷えこんできたので、平太郎さんは火を焚いて暖を取っていました。
するとそこへ、一丈五尺(4.5m)もある大男が壁を破って入ってきました。
驚いた平太郎さんは逃げ出そうとしましたが、岩穴は狭く、大男は入口近くにいるので、逃げることができません。
困った平太郎さんですが、ここでふと、摩利支天様(※3)のお守りを持っていることに気づき、それを出すと、不思議なことに大男は「もう帰る」と言って、すぐに出て行ってしまいました。
その大男の後ろ姿には、二間(約2.3m)もある大きな尻尾があったそうです。
※1
中央部を含む、三岳の各地区の詳細は、以下で確認できます。
※2
百閒滝の現在の場所はこちら
※3
摩利支天とは、御嶽山に鎮座する神の一つ。山の名前にもなっています。
