三岳の水力発電「三尾発電所」と「木曽ダム」について

長野県内では、大正6年、木曽川の賤母(しずも)発電所が建設着手されたことを始めとして、大桑・須原・桃山・読書・落合などの発電所が相次いで建設されていきました。

三岳では、昭和16年に常盤発電所が、昭和20年に御岳発電所が建設され、昭和38年に三尾発電所が建設されました。

この中で今回は、上条・黒田地区に所在する三尾発電所について、ご紹介します。

三尾発電所の建設

三尾発電所は、牧尾ダムの工事に合わせ、昭和35年7月に着工し、38年5月に営業運転を開始しました。

牧尾ダムは別で紹介しているとおり、三岳村の和田・黒瀬地区に築造されたロックフィル型式による多目的ダムで、三尾発電所はこのダムを上部調節池とし、以下でご紹介する「木曽ダム」を下部調節池とする水力発電所です。

牧尾ダムの建設に伴って三尾発電所が建設されるとともに、三岳村内の下条地区に「木曽ダム」を設け、ここに水を溜めて発電しています。

なお、牧尾ダム湖に取水塔があり、そこから水を落差131mあまり落とし、最大出力34000キロワットで発電しています。
牧尾ダムから三尾発電所まで2.8kmあまりの距離を、地下トンネルで水が流れています。

木曽ダムについて

木曽ダムは、大桑村にある木曽発電所へ送水するために建設されたダムで、木曽福島の川合地区に築造された堰堤によって王滝川を堰き止めて造られたものです。

この建設により、三岳村の下条地区の大半が水没してしまいました。
当時は建設への反対運動も起きましたが、補償がなされることにより解消し、昭和41年に、下条地区の11戸が村内外に移転を余儀なくされました。
村外には、近くでは木曽福島町・上松町、遠くでは塩尻市・松本市・中津川市への移住となり、牧尾ダムの建設と同じく、三岳から遠く離れる家が多く発生してしまいました。

木曽ダムは昭和40年5月に着工し、昭和43年1月に貯水を開始しました。
木曽川に合流する王滝川の末端近くに構築されたこのダムは、高さ36mあまり、長さ105mあまりで、現在も三岳地域と木曽福島地域の境で、水を湛えています。

なお、この貯水により旧三尾橋も水没することになったため、村はこの橋をかけ替え、昭和42年10月に新三尾橋が竣工しました。

現在の三尾橋から見るダム湖畔

まとめ

今回は、三尾発電所と木曽ダムをご紹介しました。

木曽福島地域から三岳地域を訪れる際は必ず通りかかる木曽ダムと、その水を利用して発電している三尾発電所について、ぜひ過去にも思いを馳せてみてください。

上条地区から望む王滝川(この下流に三尾発電所があります)